核家族化に伴い、需要が高まる遺品整理会社
日本の社会状況は少子高齢化だけでなく核家族化も進んできた為、独居老人の数も増加してきています。
何世代も一緒に住んでいたのは昔の事となりました。
昔は近くに子供や頼りになる親戚も大勢いたので、何かあればお互いに助け合ってきたものです。
しかし、子供も進学や就職で親元を離れるようになり、卒業しても親元に帰ることなく多くの子供が他の地域で生活するようになりました。
そうなると、今度は子供が親戚づきあいをしなくなり、何かあっても親の世代のように相談し難くなります。
このような背景から、遺品を整理する専門の会社の需要が高まり、多くの会社が設立されています。
遺品整理とはどのような作業なのか
故人の持ち物であった遺品を、遺族の判断で要る物と処分する物に仕分け、故人の住居を清掃することです。
簡単にいえば、大した事でもないように思えますが、実際に遺品を整理し始めるとその大変さに思い知らされます。
故人を偲びながら、大量にある愛用していた品々を仕分ける作業は遺族でないと出来ない難しいものです。
故人を汚さないためにも、処分する遺品は適切に処分し、住んでいた住居は綺麗に清掃しなければいけません。
遺族だけで行えば後悔が少ない遺品整理
遺品には色々な思いがあるものです。
それは、故人の思いだけでなく、故人を思う遺族の思いもあるのです。
ですから、何でもないどこにでもあるような物でも、他人には分からない大切な思いがあるのが遺品であり、難しいところです。
その難しい物の扱いは、他人が行うとトラブルの元にもなります。
遺品としてとっておきたかったのに処分されてしまった、大切な思い出の品なのに雑に扱われて嫌な思いがしたなどのトラブルは、他人には分からない遺族の思いがあるからです。
そのような、失敗をしないためにも、遺品の整理は遺族で行う事が後悔も少なく、納得のいく結果となります。
もし、取っておけばよかった、ああしておけばよかったと思っても他人がした事でなく、自分達がした事であれば諦める事も出来ますが、他人がした事だと不満となります。
遺品を整理するのは遺族で行う事が一番後悔も少なく、良い方法だといえます。
遺族ですれば、費用も抑えられる
遺族ですれば遺品の整理にかかる費用も低く抑える事ができます。
処分費用も、自治体の指定のゴミ袋や粗大ゴミや家電の回収の手数料、掃除をする為の洗剤や道具など負担は少なくてすみます。
葬儀の後のお礼や連絡、四十九日の法要や一周期などには費用がかかりますし、役所や行政に届け出や手続きをするのも交通費などの費用もかかりますから、少しでも出費を抑えられる事は大切な事です。
遺品の仕分けのトラブルも少なく、費用も抑えられる事を考えれば遺族で整理する事が経済的です。
遺品を処分する時間と体力
しかし、良い事ばかりではありません。
遺品を整理するのは時間と体力を多く必要とする事なのです。
最初に悩むのが遺品の仕分けです。
どれも故人の事を思い出す大切なものです。
しかし、思い出のある物を全て取っておくことは場所の問題もあり不可能です。
とっておきたいと思う物の中から保管スペースを考えて選ぶ事が必要です。
その判断がなかなかつかないのが遺品の仕分けの難しさです。
次に負担に思うのが、遺品の量でしょう。
人が日常生活を送る為にはこんなにも物が必要なのかと考えさせられてしまうほどです。
家具も、箪笥やベット、椅子、テーブル、本棚などあり、家電では冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、洗濯機、衣類乾燥機、テレビ、パソコンなどこれほど電化製品に囲まれていたのかと思います。
それだけでなく、衣類や布団類、新聞や雑誌、書籍、日用品などあります。
大阪ではごみの減量を推進する為に、分別ルールの徹底を図っています。
そのため、普通ごみに資源ごみや容器包装プラスチック、古紙・衣類の分別収集対象品目が混ざっていると、そのゴミ袋に啓発シールを貼り、収集せずに残置される事があります。
たくさんの遺品を保管する物を選び、その他の物は大阪のゴミ出しルールに従って分別し、処分するというのは時間と体力がいる大変な作業です。
遺品整理会社を利用する場合
このような作業を遺族でするには限界があります。
多くの遺族は仕事を持ち、遠方に住んでいる場合も多く、遺品整理の為に仕事を休み、高い交通費を払い時間を作り全ての作業を完了させることは無理があります。
また、故人の住居が賃貸住宅であれば、葬儀を済ませたら直ぐにでも遺品整理に取り掛からなくてはいけません。
しかし、気持ちの整理がつかないままの遺品整理は精神的に負担が大きいものです。
また、故人の亡くなられ方が孤独死、病死、自殺、事件現場となると、遺族で行うのは精神的に辛いものもあり、場合によっては特殊清掃をしなければいけない事もあります。
また、退去日時が決められた中で、まだ気持ちが落ち着いていないのに無理をして遺品整理をするよりは、他人に任せた方が精神的には良いでしょう。
また、いくら身内とはいえ特殊清掃が必要な部屋は専門の知識と技術をもったプロに任せた方が良いです。
遺族で遺品整理を望んでも時間と労力が作れない、期限が決められて時間がない、故人の部屋が特殊なケースである等の場合は無理をせずに専門の知識と経験をもつ遺品整理会社を利用する事をお勧めします。
悪質な遺品整理会社もいる
注意をしなければいけない事は、悪質な遺品整理会社もあるという事です。
高齢化社会になってしまった為、業者に故人の家や部屋の片付けを依頼する人が多く、そのニーズに応えるように遺品整理を専門とする業者が急に増えてきました。
急増すれば、当然、悪質な業者も現れてしまうものです。
遺品整理の仕事内容はゴミ屋敷やゴミ部屋の片づけや清掃と似ている為、遺品整理を理解していないリサイクル業者や清掃会社、不用品回収業者が行っている場合もあり遺品の扱い方でトラブルも起こります。
また、身内を亡くしてまだ不安定な精神状態の遺族が適切に判断できない事を利用し、不当な条件で契約をしたり、見積時は安い金額なので契約しても、作業後に何倍も追加料金を請求したりする業者もあります。
評判の良い遺品整理会社とは
遺品整理をするという事は多く経験する事ではなく、あまり縁のある業種ではありません。
そのため、評判の良い遺品整理会社というものが良く分からない事でしょう。
遺品というデリケートな物を扱う特殊な仕事なので、判断には難しいものがあります。
しかし、会社の選択を誤ると、一生後悔する事になる場合もあるので、慎重に選びたいものです。
許認可を持っているか
遺品整理の作業は遺品の仕分けと処分と清掃が主な仕事です。
もし、遺品の仕分けだけを依頼する場合は必要ありませんが、多くの場合遺品を回収し廃棄処分することに重点をおいて作業を依頼することが多いです。
家族にとって遺品は特別な物ですが、廃棄処分される場合は家庭から出るごみとして扱われます。
家庭から出るごみは家庭系一般廃棄物にあたり、それを回収、収集、運搬するには許可をもつ業者が行う事が義務付けられています。
その許可が家庭系一般廃棄物収集運搬の許可証なのです。
よく、産業廃棄物収集運搬許可証を高らかに表示している業者がありますが、これは事業者や工場などからでるゴミを対象としたもので家庭系ごみが対象ではありません。
ですから、いくら産業廃棄物収集運搬許可証を持っていても、遺品を廃棄処分することはできないのです。
家庭系一般廃棄物収集許可証がなければ、違法という事になります。
許可証を取っていない業者には注意が必要です。
また、遺品の中には買い取りを希望する品も多くあります。
業者のなかにはリサイクルショップに行く手間を省くために遺品から出てきた物で買い取り可能な物をその場で買い取ってくれるサービスがあり、力を入れているところもあります。
その場合も古物商の許可が必要です。
不用品を買い取る業者の中には古物商の許可を取らずに取引をしていることもあります。
古物商の許可をもつ業者は必ず古物商許認可番号があるのでホームページ等で確認するとよいでしょう。
このように、遺品を整理する際に受けるサービスによっては必要な許認可があります。
それらをきちんと取得している業者は安心して遺品の廃棄処分を依頼できます。
適正な処理を行っているか
よく野山や空き地に不法投棄された電化製品をテレビのニュースなどで見ることがあります。
遺品のなかにも電化製品は多くあり、テレビや冷蔵庫、洗濯機などは必ずと言っていいほどある電化製品です。
それらの電化製品のなかには家電リサイクル法によって処理されなければいけないものがあり、テレビやエアコン、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、衣類乾燥機が対象になります。
それらの電化製品を適正に処理しているかで業者の信頼が分かります。
家電リサイクル法の対象する電化製品を排出し運搬するには、一般廃棄物収集運搬業の許可を取っているか、その許可をもっている業者と提携しているかが必要です。
また、適正に処理されたのであれば、家電リサイクル券を渡されるはずです。
このように、適正に処理をしている事は良い業者かの判断の一つになります。
ホームページで確認すること
ホームページでも多くの事が分かり、判断基準となります。
会社の概要をみれば、会社の設立、営業年数、経歴等が分かりどのような会社か判断できます。
部屋の広さから見積金額を表示していると、費用の目安にもなります。
その中でも特に重要視してほしいのがお客様の写真の掲載です。
遺族が亡くなるという精神的に穏やかでない時にでも、顔写真を掲載しているという事は、業者の仕事ぶりが良く、依頼者が業者の対応に感謝している証と考えられるからです。
顔写真がなく、客様の感謝の文章であればあまり説得力もありません。
お客さまと担当スタッフが一緒になった写真であれば、それだけ良い作業であったと信憑性も高まります。
電話で無料見積りを依頼
インターネットで業者を調べ、その業者のホームページで確認して依頼する業者を選択します。
多くの業者は無料見積をしているのでいくつかの業者から相見積をとりましょう。
あまり多くの見積を取ると、何を基準にして選べばよいか分からなくなりますから、3社までとした方が良いです。
ホームページやメールで見積を依頼することもできますが、遺品整理は人間性も大切なので、あえて電話で問い合わせることが大切です。
電話の応対で会社の雰囲気が分かります。
遺品整理を依頼する人は気持ちが不安定な場合もあり、そのような時でも親切に応対できるかで会社の資質が分かります。
見積に来たスタッフの対応
見積に来たスタッフには遺品整理に関する様々な要望や質問を多くしてみましょう。
この時の対応次第で、業者を選ぶかの判断ができます。
嫌な顔をせずに、親切に応じてくれれば丁寧な仕事ぶりだと予測できます。
遺品を整理するという事は遺族に配慮する姿勢が大切です。
まだ、契約をしていないお客さまにも親切に対応する社員がいる会社は仕事も同じように親切に対応してくれると期待できます。
一貫して担当してくれるスタッフがいるか
そして、もうひとつ確認したい事があります。
それは見積に来たスタッフが一貫して担当してくれるかという事です。
いくら、電話の応対や見積にきたスタッフの態度が良いからといってそれだけでは十分ではありません。
一番大切なのは、遺品整理の作業が納得いくものかという事です。
せっかく見積に来たスタッフにこちらの要望を話したのに、連携が取れていないために、望んだような整理をしてもらえなかったという事があります。
できれば、見積に来たスタッフが作業終了まで担当する事がベストです。
評判の良い遺品整理会社に出会い為に
遺品整理で失敗すると、一生後悔することになる可能性があります。
そうなれば、遺族だけでなく、故人も悲しく思うでしょう。
遺品整理をすると決めたならば、良い遺品整理会社に出会うための時間と労力も必要です。
遺品整理会社はこれからの人生の為にも慎重に選びたいものです。