遺品整理の流れ
故人の使っていたものや、家にある家具、生活用品などを整理することを遺品整理と言います。
整理を始めるタイミングは四十九日を目安に行われることが多いですが、故人が賃貸住宅に住んでいた場合はなるべく早めに行う必要があります。
整理を行うときは、相続人となる方や親族と日程を決めて行います。
価値のあるものは形見分けをして分け合う必要があるので、勝手に分けることは避け、相続人全員で整理を行うことが大切です。
日程を決めたら整理に必要なものを準備して、残すものと処分するものを仕分けます。
残すものは形見分けや保存などをして、処分するものは自治体の決まりに従って分別して捨てたり、業者に依頼して処分します。
遺品整理は故人が遺した大切なものを誤って処分してしまわないように、親族のみで行うケースもよく見られます。
最近では時間がなかったり、遺品が大量にあるなどの事情から、業者に依頼して整理してもらうと言う方も増えています。
あまり時間を掛けられない場合、業者を利用して手早く遺品の整理をするのも選択肢の一つです。
遺品整理の前に気を付けたいこと
遺品を整理する前に、まず確認したいのが遺言書やエンディングノートの有無です。
遺言書は書式や手続きなど、正式に書かれたものであれば法的効力があります。
まずは遺言書などを探すことを優先し、見つかったらその内容に従って遺品を分配していきます。
もし整理が終わり、形見分けが済んだ後で遺言書が見つかった場合、分配が全てやり直しになってしまう可能性もあるので、最初に必ず探しておくことが重要なポイントです。
正式な手続きや書式で書かれていなくても、見つかった場合は故人の意思を尊重した方法で遺品を整理しましょう。
遺言書やエンディングノートなどが見つからない場合や、遺品について書かれていない場合は相続人全員で話し合って整理を行います。
事前準備をする
遺言書の確認や整理を行う日程が決まったら、必要なものを準備します。
業者に依頼せず親族だけで行う場合、部屋の中の荷物を全て整理することになるので、それなりの心構えを持って取り掛かりましょう。
整理の際にあると便利なのは、段ボール箱やゴミ袋、ガムテープや作業用の手袋などです。
段ボール箱は要るものと要らないものを仕分けるときに重宝するので、なるべく多めに用意しておきます。
さまざまな物品に触れ、処理して行かなければならないので、安全のために軍手やゴム手袋、埃の多い押入れなどの場所を片付けるのにマスクも用意しておくと安心です。
多くのものを運び出す必要があるなら、台車なども用意しておくと荷物の運搬に役立ちます。
家具を解体したり、取り付けてあるものを外すのに必要なドライバーやペンチなどの道具もあると便利です。
また、集合住宅であれば作業で行き来したり、物音が大きくなってしまうこともあるので、近隣への挨拶をしておくことも大切です。
仕分けをする
作業に必要なものが揃ったら、遺品の整理に取り掛かります。
遺品はアルバムや写真、日記など故人の思い出の品で捨てられないものと、形見分けするもの、処分するものに分けて仕分けを行います。
用意した段ボール箱にそれぞれ「必要品」「形見分け」「捨てるもの」などマジックで書いておくか、紙に書いて貼り付けておくとスムーズに仕分けることが出来ます。
誤って大切なものを処分してしまうと、取り返しがつかないことになりますので、仕分けは慎重に行いましょう。
整理をする前に、玄関など出口へ繋がる廊下や通り道の物を先に片付けておくと、仕分けた段ボール箱やゴミを運び出しやすくなります。
また整理する部屋は順番を決めて行っていくと、作業がスムーズに進みます。
残しておくべきもの
写真や日記、手紙やビデオテープなどの記録は故人にとっても、ご家族にとっても大切な思い出の品です。
そう言った思い出の詰まった品は残しておき、そのほかにも形見分けや手続きなどに必要な貴重品は残しておく必要があります。
貴重品として挙げられるのは、銀行や保険の手続きに必要となる預金通帳や実印、保険証券や身分証明書などです。
仕事関係の書類があれば、そちらも一定の期間保管しておく必要があるので残しておきましょう。
アクセサリー類や宝石、貴金属など価値があるものは形見分けをするために必要なので、それらも貴重品として保管しておきます。
また遺品の中に高価なものがある場合、相続税や贈与税の対象となることがあります。
高価な遺品は事前に鑑定をしてもらい、相続が確定してから分けるようにする方が相続人同士のトラブル回避にも繋がります。
処分するものを分別する
仕分けるべきものの中には紙くずであったり、洗剤やキッチン用品などの日用品なども含まれていると思います。
そうしたものはきちんと分別し、自治体の指定するゴミの収集日に出して置く必要があります。
和泉市の場合、生ごみ類や紙くず類、ビデオテープなどのビニール・プラスチック類や靴などの皮革類は可燃ごみになります。
また、座布団や枕、ゴム製品なども可燃ごみですので、週に2回ある収集日に捨てることが出来ます。
カンやビンなどは資源物として、缶や乾電池などは同じ袋に入れ、せともの類やガラス類などは別の袋にまとめて、スプレー缶やカセット式ボンベもまた別の袋に入れ、三種類に分けて出します。
ペットボトル、プラスチックボトルや食品トレイ、新聞、古着はそれぞれ分別して、それぞれの収集日に出す必要があります。
付かなくなった蛍光灯は、割れていないものであれば粗大ごみ受付センターに連絡して、回収してもらいます。
直管形蛍光灯や環形蛍光灯、コンパクト形蛍光灯や電球型蛍光灯が回収の対象となっています。
割れてしまったものは資源物となるので、ガラス類などと同じ袋にまとめて出しましょう。
蛍光灯の収集は無料ですが、LED蛍光灯は有料の粗大ごみとなってしまうので注意が必要です。
和泉市で粗大ごみを収集してもらうには
家電リサイクル法の対象となるテレビや冷蔵庫などの家電を除いたものや、家具などは粗大ごみとして処分する必要があります。
和泉市で粗大ごみを処分するには、まず粗大ごみ受付センターへ電話するか、インターネットから申し込みを行います。
処分したいものを伝えて手数料を確認し、収集日を決めたら受付番号を伝えられるので、電話の場合メモを用意しておくと便利です。
手数料は粗大ごみ処理券を取り扱っているお店で、捨てるものによって決められた料金の処理券を購入することで支払う形となります。
処理券を購入したら受付番号と収集日を書く欄があるので記入し、品物ごとに貼って、収集日の午前6時ごろまでに出と言う手順です。
家具など大型のものは粗大ごみとしていることがほとんどですが、和泉市の場合、小型の不燃ごみも粗大ごみと同じ様に手数料を支払って処分します。
やかんやアイロン、フライパンなど45リットルの袋に入るものが対象で、一袋を一点として出す必要があります。
こうした粗大ごみや小型不燃ごみが大量にある場合、一つ一つ処理券を貼って、収集場所まで持っていくのは大変な作業です。
手間を掛けずまとめて処分したいときは、不用品回収業者に依頼することも検討するべきでしょう。
買取専門業者を活用する
まだ使うことが出来そうなものでも、必要のない家具や家電、骨董品や楽器、衣類などは捨ててしまうより、リサイクルショップなどの買取業者に売ることを検討しましょう。
一見して売れそうもないものでも、プロの目から見れば買取が可能なものもあるかも知れません。
どれが売れるものか判断がつかないときは、出張買取などを利用して、部屋の中のものを一通り見てもらうと言った方法もあります。
買取専門業者は中古品の知識や多くの販路を持っているため、適正な価格で売ることが期待出来ます。
買取可能な物はいろいろ
ソファーや机、椅子、ベッドなどまだ新しいものであったり、使えるものであれば買取も期待でき、ブランド家具や高級家具などは高値で売れる可能性があります。
パソコンやオーディオ、テレビやDVDプレイヤーなどの家電製品も、特に製造日が新しいものは買取が期待できるものです。
骨董品やアンティークの食器、楽器類、衣類はブランドのものであれば売れる可能性も高まります。
そのほかにも意外なものに値段が付くかも知れないので、一度査定に出してみるのがベストです。
仕分けや処分が終わったら
必要なものの仕分けをして、不要なものをゴミに出したり、家具や家電などの処分が終わったら部屋の清掃に取り掛かります。
賃貸住宅であれば原状回復などをする必要があるので、必要があれば消臭や除菌などを行ってくれる特殊清掃を業者に依頼しましょう。
賃貸住宅は遺品整理が長引くと、それだけ家賃を支払い続けることになりますので、早めに清掃などを済ませ、退去手続きを行っておきたいところです。
故人が持ち家に住んでいた場合でも、一人暮らしだったり、今後誰も済む予定がない場合は空き家になってしまい、トラブルが発生する可能性があります。
更地にしたり、売却するなどの対応を考えることも大切です。
業者を利用するメリット
親族や自分だけで遺品整理を行おうとすると、時間も手間も掛かります。
整理するのに必要なものを揃えたり、仕分けをしたり、清掃をするなど、その後さまざまな手続きも控えていることを考えると一苦労です。
特に賃貸住宅に住まわれていた場合は早めに整理しなくてはなりませんし、遠方に住んでいる方であれば滞在中に済ませる必要があります。
最近では遺品の整理に悩む方も増え、需要も増えたため遺品を整理するサービスを行っている業者も増えています。
遺品の整理代行を専門として行っている業者をはじめ、葬儀業者が行っている場合やリサイクル業者が行っている場合、便利屋が行っているなどさまざまな形で利用出来ます。
業者に依頼することで、時間や手間を掛けずに作業を進めることが出来ると言うのが最大のメリットです。
遺品整理業者の選び方
遺品を整理してくれる業者は多くありますが、どこも同じと言う訳ではなく、選ぶときはトラブルにならないように慎重に探すことが重要です。
整理をするのにも遺品の取り扱いや手順、それに関わる法規制などの知識を持った遺品整理士なら比較的安心して任せられます。
専門の資格を持ったスタッフがいる業者を基準に選び、一か所だけではなく複数の業者に見積もりを依頼します。
業者によって掛かる費用は違いますが、だいたいのところが家の広さを基準とした見積もりを行っています。
対応や金額などを見て、予算や都合に合った業者を選ぶのがポイントです。
遺品整理をスムーズに行うコツ
遺品を整理する際は、まず相続人全員で日程を決め、作業に必要な段ボール箱やゴミ袋などを用意してから行います。
整理を行う前に、遺言書やエンディングノートは必ず見つけておきましょう。
自分たちで整理を行おうと考えると、準備するものや手順、実際の作業など大変なことも多いです。
時間を掛けられなかったり、作業を行える健康状態にない場合には、無理せず業者に依頼することで、スムーズに整理を行うことが出来ます。
業者に依頼する際は見積もりをしてもらい、追加料金がないかなどの確認をして、料金に関するトラブルなどを未然に防ぐようにしましょう。
遺品の買取を検討しているのであれば、リサイクルショップなどの買取専門業者に査定を依頼するのがおすすめです。