人が亡くなるということ
昨日、あるいは今日までは実際にこの世に存在していた人が、もういなくなってしまうということは、ただお亡くなりになったの一言で済ませられるものではありません。
ご近所づきあいをされたいた方や、親しく付き合ってきたお友達、さらには仕事仲間といったさまざまな間柄の人が存在すると思われますが、そうした関係の人であれば、葬儀に参列し、それで終わりということになります。
ですが、ご遺族様にとっては葬儀が終わったのでこれで終わりというわけにはいきません。
週に一度毎に巡ってくるお逮夜の法要を営んだりといった葬儀関連の儀式が、一定期間継続して続いていきますし、年金や健康保険といった社会的な手続きも役所で行わなければならず、とにかくいろいろ、何かとすべきことが出てきます。
まさに、葬儀を終えてホッと一息といったことも許されない状況が続くことでしょう。
遺される品々
儀式や社会的な手続きをしなくてはならないことに加えて人が亡くなったとなれば、遺される品々、つまり遺品をどうするかという問題が生まれることになります。
遺品と一口に言っても、もう必要がなくて処分するしかないというものもあれば、金銭的価値があるために残したいものや、故人を偲ぶよすがになるために残したいと感じるものもあります。
このあたりの判断は、もしも、長年、遺品の整理に携わってきた当社スタッフに作業をご依頼くださったとしても、ある程度はご遺族様に判断して頂かないといけないことになります。
人が持つ思い入れというのはその人にしかわからないことですし、一見すると処分対象と思えるようなものに、実は深い思い入れがあったり、想い出を引き出す出来事が込められている場合があるからです。
そのため、当社にご依頼いただいた場合には、お話をお聞かせいただく時間をお取りいただければ、作業がスムーズにすすめられると考えております。
処分する必要性
ご遺族様からご覧になって、さすがにこれはもういらないということで処分する必要性の高い物としては、日常で使っておられた日用品がもっとも多いことでしょう。
具体的には食器や洗面用品、たくさんの衣類に始まり、女性であれば化粧品などが当てはまります。
遺されたご遺族様にしても、すでに自分の物を持っていて、残ったものを引き取って使う必要性を感じない物が、処分対象の品ということになります。
最近では市区町村により、ゴミの分別化が厳しくなっておりますので、いらない物だからといって十把ひとからげにまとめて処分することはできなくなっています。
きちんと素材ごとに分別し、適切な方法で処分することが義務付けられていますので、例えば陶器やプラスチック、衣類などが混在してしまうと処分が非常に面倒になります。
そんな場合も当社をご利用いただければ、スタッフがきちんと分別して回収いたしますので、どうぞご安心ください。
誰が行うのか
基本的に遺品の整理は、もっとも近しい間柄にあるご遺族様が行われるのが一般的だといえます。
夫が故人となられた場合には、奥様を始め、お子様がおられれば、お子様方も加わって整理作業に当たられることでしょう。
昨今はお子様は別世帯として独立されていることが大半ですので、遺された配偶者様が、遺品を整理するにあたってもっともよくわかっている人ということになります。
お子様はそのサポートをすべく、お手伝いに来られるというパターンになるでしょう。
そのため、実質は配偶者様がすべて判断して行われることになり、高齢であることも珍しくない配偶者様にとって、遺品の整理は思っている以上に負担の大きな作業になると考えておかれた方がいいと思われます。
整理のむずかしさ
こまごまとしたものを整理する場合には、とにかく時間が必要という面が大きいのですが、これが故人様が使われていたベッドやタンス、家電製品などを整理するということになると、時間よりも力が必要になります。
また、これらを整理するにあたっての時間は、よりスピーディーに、迅速に行うことが大事となってきます。
それこそ、一日で一気に大物を片付けてしまわないと体力面で大変ですが、費用面でも出費がかさむという特徴があります。
そのため、高齢になられた配偶者様一人だけですべての遺品を何とかしようというのは、正直申し上げて無理だと言えるでしょう。
ご家族様の援助があれば何とかなるかもしれませんが、その場合もすべてを運び出して処分となると限界がありますので、何らかの形で業者に依頼することを検討なさるのではと思われます。
その場合は、遺品の整理を専門に手掛けている業者を選ぶことがもっとも大事です。
むずかしい類の遺品
家電に家具といった大きな遺品は整理がむずかしい類に入りますので、当社のように遺品整理を専門に手掛ける業者をご利用なさるのがおすすめです。
大きいから、重いからむずかしくなるという理由とは別に、違う種類のむずかしさがある品物が出てくることが、おすすめする一番の理由です。
それが、故人様が非常に大事にされていたけれども、ご遺族様にとっては必要ないものです。
そんなむずかしい類の遺品に、写真があります。
カメラが趣味という方なら、きっと数え切れないほどたくさんの写真が出てくるでしょうが、その中でも風景を切り取った物などは、まだただの紙として処分することができます。
むずかしいのは、人物が写っている場合です。
そこには何らかの思い入れが込められていると考えられるからです。
なぜむずかしいのか
故人様が写っている場合はもちろん、誰が写っているにしても、それをそのまま不用品として処分してしまうことに、たいていの方はためらいを感じられるのではないでしょうか。
ご遺族様にとっても、故人様と一緒に写っているけれど、もう取っておく必要はないなと感じられる場合もあると思われます。
故人も含めて自分たち家族が写っているけれどもういらない写真がある場合、いらないのだけれども、それをそのまま処分してしまうのはいかがなものかという気になるのは不思議ではありません。
そのため、人が写っている場合はよりいっそう、どうすればいいのかむずかしいと感じることになります。
どうやって処分すればいいか、考えあぐねてしまうこともあるでしょう。
悔いの残らない方法
当社がお勧めしている悔いの残らない処分方法に、お焚き上げを行うというのがあります。
お焚き上げとは神社などで行われる供養の方法の一つで、火によっても燃やすことによって、火の神さまの力でもって天上へ返すという意味があります。
故人様が好んで行われていた趣味の品で、しかもご自身を含む大事なご家族様が写られているとなれば、お焚き上げをすることによって天上へ返すことができれば、きっと喜ばれることでしょう。
当社ではこの神事的な意味を理解し、遺品整理作業に組み込んでおります。
精神的に落ち着くために
故人様にとっては大事な品物だったであろう物も、ご遺族様にとっては必要ない品ということは、遺品を整理するにあたってしばしば出てきます。
そのまま回収処分を依頼できるものもあれば、精神的にはちょっと引っかかるといった品もあるのが人が遺す遺品というものの特徴です。
ちょっと引っかかると思いながらも、そうでないものと一緒に処分してしまったら、その感情はあとあとまで尾を引くでしょう。
そうなると、すべての品物を整理し終わったとき、後悔の念が沸き起こってくるのは間違いありません。
あの時、もっと他に方法はなかっただろうかと考えてしまうのが、人の心理だからです。
大事なものだからこそ
当社の遺品整理作業では、すべての遺品に対して誠心誠意作業に当たらせていただきますが、スタッフは長年の経験により、これは大事な物であるということがわかる人材ばかりです。
そのため、スタッフにとりましても、大事な品だと思われる物に対して、それ程でもない品と一緒に処分してほしいというご指示には、少々困惑するのは間違いありません。
そんな時は、特別な思い入れがこもったお品の整理には供養をしながら処分をするという方法がありますといったご提案をさせていただくことがあります。
もしかすると、ご存じないご依頼主様もいらっしゃるかもしれないからです。
神社に持参する方法
何らかのご供養を施してから処分した方がよいと思われる品に関しましては、神社に持参する方法をご提案いたします。
プラスチックや金属類はダメですが、写真や手紙といった紙類で大事にされていたものは、お焚き上げという方法で供養していただきながら、片付けてしまうのが一番だからです。
火の神様によって天上に逝かれた故人様のもとへと送っていただけますので、きっとあの世で故人様も喜ばれることでしょう。
神社に持って行くには、こうした意味があることをご理解いただければ、遺品整理作業になぜ神社がかかわってくるかもわかっていただけると思われます。
神社で行ってもらうこと
神社では、その場でお焚き上げを行ってもらえる場合もあれば、遺品をはじめとする天上へ返す品々をある程度集め、儀式として行う際にまとめて焚き上げる場合もあります。
さらに、紙類だけでなく、人形やぬいぐるみなどが可能な場合もありますので、そのあたりは当社スタッフにお気軽にお尋ねください。
疑問点がありましたら、スタッフが神社に尋ね、きちんとご返答申し上げます。
いずれにしても、神社で行ってもらうことは愛用されていた品物の供養であることは間違いありませんので、後悔を残すということなく遺品整理を進めて行けるようになるでしょう。
お焚き上げをする意味
お焚き上げをする意味は、先述した通り、火の神様のお力によって天上へとお返しするということです。
これは神事として長い間、日本各地で行われてきており、それが人々の心に安寧と安堵をもたらしてきました。
つまり、大事なのはこの安寧と安堵を得られるかどうかであると言っても過言ではありません。
そのままその他の品々と一緒に、まとめて整理してしまうことに躊躇を覚える際、ではどうしたらいいのかということを考えたとき、浮かんでくる対処方法です。
お焚き上げをすることによって、心は安らぎ、故人様に対して責任を果たしたと感じるご遺族様がほとんどです。
心の整理のために
もし、お焚き上げの場に立ち会うことが可能なのであれば、立ち会われることをお勧めいたします。
燃え盛る火によって消えていく写真を見ていると、これで良かったのだという気持ちが湧いてくるでしょう。
燃える火を見つめていると、浄化されているのだという気持ちになることがありますが、火の神様によって今まさに天上へ送られているのだと実感することができます。
この実感がむずかしいと感じる類の遺品をきちんと整理できたという気持ちにつながりますので、立ち会うことは心の整理を付けることにもつながると、これまでたくさんの遺品の整理に立ち会ってきた当社スタッフも感じています。
そのため、お時間があれば立ち会っていただくことをお勧めすることになるわけです。
火の力によってすべてが天上へ戻り、そして人がこの世で暮らした痕跡も徐々に消えていくことになりますが、その後に後悔が残らないことが大事です。
そのためには、遺品を整理するという作業はできればプロの業者に委託されるのが最善の方法だと、当社では自信を持ってお勧めすることができます。