遺品整理はいつから始めるのか
人生の中で何回も経験する事が無い遺品の整理はいつから始めて、いつまでに終わらせるのか悩むところです。
厳密に決まりはなく、多くの人が四十九日の法要を目安に片付け始めるようです。
この頃になると遺族も気持ちの整理が付くようになり、遺品に向き合えるようになる事が多いです。
しかし、気持ちの整理は個人によって差があり、時間がかかる場合もあるので、時間が許すのであれば気持ちが落ち着くまで待った方が、後で判断した事を後悔する事がなく良いと思います。
故人が持ち家ならば良いのですが、賃貸住宅であれば遺族の気持ちの整理がつくまでは待つことはできません。
経済的に余裕があるのならば、大家や不動産会社と話し合いによって時間の猶予が出来るかもしれません。
遺品整理とは
故人が生前に生活に必要だった品物が全て遺品にとなります。
この遺品の中から形見分けとして残す物、現金、印鑑、株式証券、預金通帳、貴金属、骨董品、美術品、高価なジュエリーなど資産価値として考えられる物は手元に置き、それ以外の物は基本的に処分します。
処分する物の中には、写真、日記、手帳、故人が愛用または大切にしていた物はそのまま処分する事に抵抗を感じる物です。
そのような時には供養して処分します。
引っ越しや部屋の片づけと作業内容は変わりません。
けれど、遺品は故人の思い出があるもので、間違って処分してもまた同じ物を購入すれば済むと言うわけにはいきません。
遺品を整理する事は単に物を片付けるという事だけでなく、遺品を仕分けする事で遺族が故人に対する気持ちも整理する事なのです。
遺品整理をする前に
遺品を整理する前に、遺族間で良く話し合う事が大切です。
遺品には現金や預金通帳、株式証券、貴金属、高価なジュエリー、美術品、骨董品など、遺族が相続したいと願う遺産があります。
後で家族や親族間で相続の事でもめる事が無いように存在の確認も必要です。
また、遺品を整理するのに必要な人手や、時間、費用に関しても打ち合わせが大切なのです。
故人の遺品は他人には触れさせたくないから遺族だけでやりたいという考えのある人や、遠方に住んでいる、仕事が多忙で時間がないから全て業者に依頼すると考えている人など、遺族の間でも整理の仕方には考えが違うものです。
後でトラブルに発展しないように、話し合いが必要です
遺族で遺品整理をする心構え
故人が生活していた物の中には、あまり他人には見られたくない物、触れてほしくないもの等があります。
特に女性ならば年齢を問わずに他人の男性から扱わせると抵抗を感じるものです。
たとえ故人がきちんと整理整頓をしていたとしても、他の人には何をどのように片付けているのかは分かりませんから、とんでもないところから思わぬ物が見つかる事もあります。
ですから、自分の部屋を片付けるとは勝手が違うもので、遺品を整理するというのは思った以上に時間がかかります。
整理するだけでなく、処分もしなければいけません。
大阪では、収集品目に普通ごみ、容器包装プラスチック、資源ごみ、古紙・衣類、粗大ごみに分かれているので、処分する物がどの品目に当てはまるのか確認しながら分別し、処分しなければいけません。
遺品は様々なものがあり、大きく重たいものでは、箪笥、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、小さな物は箸、ペン、ボタン、針とあり、これらは遺族にとっては遺品であっても、処分される時は他のゴミと同じ扱いになるので、分別は大切な作業です。
遺品が全て搬出され、それぞれ廃棄処分されたとさしても、後の部屋は綺麗に掃除をする事も忘れてはいけません。
遺品整理を業者に依頼する事も検討
このような大変な作業を遺族だけの力で行うとすれば、労力と時間が多く必要となります。
最近の多くの家庭は子供が進学や就職で親元を離れ、そこで家庭をもち独り立ちする核家族化が進んでいるため、今の生活を犠牲にしながら遺品を整理する事はなかなか難しいです。
今の生活を大事にしたいと思い、遺品を整理する事で時間がかかり他人に迷惑をかけると考えれば、業者に依頼するのも必要な事です。
遺品整理を業者に依頼するメリット
一番のメリットは遺族が難しいと思う作業を代行してくれるので、負担が少なくて済むという事です。
まだ気持ちの整理が付いていなくても、部屋を退去しなければいけない時は代わりに作業をしてくれるので辛い気持ちを思い出さずに済み、精神的に楽です。
また、最近の業者には遺品整理士の資格をもつスタッフが在籍している事が多く、任せても安心できます。
処分する物が多い場合、自分達でトラックの手配や手続きをし、処分場所まで運ぶこともあり、時間と手間をかけずにすみます。
ゴミと一緒に処分する事に抵抗がある場合は、品物を供養し処分するサービスもあります。
孤独死、自殺現場、事件現場となった故人は、その住居を清掃するのは遺族でも無理があります。
しかし、そのような現場となった部屋でも特殊清掃をしてくれます。
遺品の中には未使用な物、購入してまだ時間がたっていない物、使用可能な物が多くあり、これらを捨てるのはもったいないのでリサイクル店に運びたいと思っても、時間と運ぶ労力を考えると後回しになりズルズルとそのままになってしまう事があり、買い取りサービスがある業者だと、その場で買い取ってもらえるので時間も手間も節約できます。
また、遺族が分からなかった買い取り可能な品も見つけ買い取ってくれます。
遺品整理を業者に依頼するデメリット
やはり、費用がかかるという事でしょう。
遺族が集まって片付けをしていれば費用はかかりませんが、お金を払う事で代行してもらうのですから、代わりにしてもらう作業の量にもよりますが、費用が多くかかります。
いくら業者が丁寧に仕事をしていると思っていても、遺族と他人とでは遺品に対しての思いの差があり、不快に思う場面もあります。
少子高齢化と核家族化で業者に依頼する事は普通の事
少子高齢化と核家族化が進んでいる日本で、遺族だけで遺品を整理する事の方が珍しく、今は業者に一部をサポートしてもらうか、全部任せるかで依頼することは普通になってきました。
兄弟姉妹の人数が少なく、親戚づきあいもあまりしていない人は最近多いので、なかなか親戚に協力を求める事は難しいです。
頼んだにしても、後のお礼や付き合いを考えると、第三者に依頼した方が気が楽だと判断する人も多いです。
業者に依頼する前にどこまで作業を頼むのか
遺族だけで整理する事は無理だからと初めから業者に依頼する事を決めたとしても、ただ漠然と依頼すれば良いと思うと後が大変です。
業者を利用する時は、依頼する作業内容をしっかりと把握しておきましょう。
業者は遺品の整理を全ての作業を行ってくれますが、全部の作業を依頼しなくても良いのです。
処分する遺品を回収する事だけとか、回収する物も大きく重たい箪笥や食器棚、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどの家具や家電だけでも良いのです。
遺族が片付けた分、業者に依頼した作業費用は低くなります。
少しでも費用を抑えたいと思うものです。
遺族間でどの程度お互いに協力して片付けられるのか、日時や作業時間などを相談すると良いです。
見積もりが出しやすいような状態に
業者を利用する事が決まれば、費用の面が気になります。
そうなれば、何社かに見積もりを取るのですが、見積もりを出す側に立って考えると良いです。
遺品の整理をする部屋が片付いていない状態では、正確な見積金額を出すことは難しくなります。
見積もりをした時点では、作業員や回収する量、作業量をこれくらいと見積もっても、作業をしていくうちにだんだんとそれでは間に合わなくなる場合もあります。
そうなれば、業者もボランティアでなくビジネスですから、追加料金を請求する事になります。
依頼者には、最初に提示された金額だから契約したにのと不満が出てきます。
そのような事でトラブルになる事もありますから、見積もりが出しやすい状態にはしておきましょう。
業者の選択
依頼する業者の選択には失敗したくないものです。
インターネットで調べると多くの遺品を専門とした業者が分かります。
各業者はホームページを作成しているので、ここで情報を集めます。
まず、会社の概要でどのくらいの歴史があるのか、初めから遺品を整理するために設立されたのか、回収業者や便利屋、買い取り業から遺品整理の部門に進出してきたのか等が分かります。
長く開業しているのであれば、悪い評判やトラブルもない業者と考えて良いでしょう。
作業のなかで回収を重視しているのであれば、回収業者だと回収経験があり、遺品の多くを買い取ってもらいたいのであれば、買い取り業をしていたのならば、多くの品物の知識を持っていると考えられます。
ゴミ屋敷やゴミ部屋の片づけや掃除ではなく、片付ける物は遺品です。
業者に遺品整理士の資格を持つ従業員がいれば、遺品の扱いには慣れているので安心です。
作業内容や手順も確認することができます。
特に写真がのっているとよく理解することができ、判断もしやすいです。
見積の依頼は電話を使いましょう。
電話だと応対した人の態度が見えていなくても、声の感じや、接し方で大体は予想がつきます。
感じの良い電話応対は、作業をするスタッフも良心的な人が多いと予測できます。
また、口コミでの評判やトラブルも確認しておきましょう。
あまりトラブルや批判が多い業者はやめた方が無難です。
無料見積もりで費用とサービスを比較
依頼する業者が何社か決まったら、今度は見積をしてもらいます。
良い評判の業者の多くは無料出張見積をしています。
契約しなくても無料なので安心して頼むことができます。
相見積を取ることで、各社の得意とするところも分かり、費用とサービスを比較することができます。
見積ではどうしても金額を重視しがちです。
見積の内訳も良く見ましょう。
もし、内訳がなく金額だけであれば、作業内容を詳しく尋ねる必要があります。
後で、その作業は見積に入っていないといわれて追加料金を請求されてしまう可能性があるのです。
業者が出した見積はしっかりと納得出来る金額と作業内容なのかをみます。
担当者には遠慮なく要望を
後でこの件も尋ねれば良かったと後悔しないためにも、担当者には遠慮なく疑問に思う事は尋ねましょう。
特に、作業内容については詳しく相談することがトラブルの回避にもなりますし、スムーズに作業を行えます。
色々な疑問にも親切に対応してくれる担当者てあれば、安心です。
担当者には見積を出すための担当者なのか、作業に関しては別の担当が付くのかも確認しましょう。
できれば、見積に来たスタッフが作業の終了まで担当してくれるのであれば、他の担当への引き継ぎもなく、言った言わない、聞いていないなどのトラブルが避けられるので重要です。
金額の確認
遺品の整理を業者に頼む時には、作業費用を用意しなくてはいけません。
ですから、金額の確認は重要です。
見積金額が追加料金を請求されたことで大幅に高くなると、初めから追加料金をたした金額が本来の金額ではなかったのかと疑いたくなります。
本当に、この金額で作業は終了するのか、このぐらいの金額の幅があり、追加料金が発生する可能性があるのかなど金額の事で色々と問い合わせるのは少し抵抗を感じますが、金額の確認は大事です。
見積もりの金額で再検討
わざわざ、出張見積をしてくれ、親身になって遺品の整理について相談に乗ってくれたからと言って、その場で契約するのはお勧めできません。
担当者も契約してほしいので、契約をするように誘導してくる可能性もあります。
一度契約するとキャンセル料が発生することもあるので、遺族で見積金額について検討してから、契約をしましょう。