少子高齢化社会により遺品整理が困難に
現在の日本は急速に少子高齢化となり、核家族化が進んでいるため家庭の単位が個人になってきているという問題があります。
昔のように家族が何世帯も同居ということはほとんど無くなりました。
また、親戚付き合いも稀薄になり、ますます孤独化してきています。
たとえ、子供がいても遠方に住んでいたりして、親が亡くなっても親の生活スタイルが分からず、遺品を整理するにしても戸惑うばかりです。
このような社会になった日本では遺品整理は遺族にとって大きな悩みです。
遺族だけで遺品整理をしていたのは昔の話
今は親と同居ということは珍しい事ですが、昔は当たり前の事でした。
同居しないにしても、すぐ近くに子供が住んでいる場合がほとんどです。
ですから、何かあればすぐに駆けつけることもできましたし、頼りになる親戚も多くいました。
しかし、今は子供は成人すると進学や就職で親元を離れ、親元に戻らずにそのままそこで生活するという人が多くなってきたのです。
そうなると、遺族となる子供は生活の基盤が遠くにあるため、遺品整理をする事が困難になります。
また、遠方に住んでいると親戚づきあいも無くなり、遺品整理を手伝ってもらうのも遠慮があります。
親族で遺品整理をしていたのは昔の話で、今は遺品整理とそれに伴う作業を代行してくれる業者に依頼する場合が多くなりました。
社会に必要になった事で多くなった遺品整理会社
このような社会の変化で遺品整理を業者に依頼する人が多くなり、それに伴って遺品整理を行う業者が必要とされ急増しているのが現状です。
需要の増加により元は回収業者や清掃業者がこの方面に進出して遺品整理も行っている場合もあります。
また、これからも少子高齢化が進むことから、需要が高くなる可能性があると遺品整理を目的とした会社を設立するケースも多くなりました。
悪徳遺品整理会社に注意を
急激に遺品整理をする業者が増えると、中には悪徳と呼ばれるような行為をする会社があるものです。
例えば、見積の金額よりも多く追加作業費として請求されたり、遺品を粗略に扱われ嫌な気持ちにさせられてり、現金や貴重品、高価な物の盗難、作業を最後までせずに途中で終了されたりとトラブルの多い会社もあります。
そのような業者に依頼すると大変です。
遺族だけでなく、近隣住民に迷惑がかかるばかりか、社会問題にもなりかねません。
そうならないためにも、遺品整理会社の選定は重要です。
遺品整理会社を選定する前に
故人が亡くなり、葬儀を済ませても社会から人がいなくなるというのはこんなにも手続きと届け出が必要なのかというほどあります。
四十九日の法要や一周忌という節目に遺品整理を始めるという場合が多いようですが、中には気持ちの整理が付くまでと何年もそのままという場合もあります。
故人の住環境が持ち家であれば、遺族の気持ちの整理が付いてからが良いでしょうが、賃貸住宅であれば賃貸契約に添って早めに整理する必要があります。
時間がある時に、インターネットなどで遺品整理を行う会社のホームページで仕事の内容、見積金額、今までの実績などを調べ、口コミなどで評判やトラベルの有無などをチェックすると良いです。
そうすることで、今まで経験したことのない遺品整理という作業がどのような物か、相場はどのくらいかなど予備知識ができますので会社を選定する時に役立ちます。
遺品整理会社の遺品に対する姿勢
その時にまず見てほしいのは、その会社がどのような姿勢で遺品に向き合っているかという事です。
単にゴミ屋敷や引っ越しに伴う不用品回収や清掃で出る物と遺品とでは同じ物でも違うという事です。
一つ一つに故人の思いと遺族が故人を偲ぶ気持ちが詰まっている物で、また購入すればよいという物ではありません。
遺族のこのような気持ちを配慮してくれる会社でなければ、作業中や後に嫌な思いが残り、続くことになりこの事は一番避けたい事です。
遺品整理士
会社が故人や遺族、遺品に対して心配りが出来ているかという事を判断するのは難しい事です。
また、会社がそのような理念を持っていたとしてもスタッフの教育が行き届いていないと意味がありません。
この事はホームページで見ても判断が難しいところです。
しかし、遺品整理士が在籍しているかというのも選定のポイントになります。
遺品整理をしていれば、色々な問題や課題に気付かされます。
その時に少しでも解決する方法として知識が必要と考えます。
その知識を有する事が出来るのが遺品整理士という資格です。
遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会が認める民間資格ですが、近年遺品整理業者が急増している中重要視されている資格です。
遺品整理士は業務を代行するにあたって、法規制に遵守した形で行っていくことが重要で、遺品整理の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を、正しく身に付けた人です。
故人が生前使用された大切な品物や遺族の思いに配慮した供養するという気持ちで取り扱う方法を理解します。
また、供養の気持ちを持って扱っている遺品といえ最終的にはゴミとして処分されるので、廃棄物やリサイクル品の取り扱いに関する各法規制の知識も持っています。
遺品整理業特有の事項もあり、それに対して正しい知識を持ったうえで、正しい処理を行える資格です。
この遺品整理士の資格を持っているスタッフが在籍しているという事は、遺品整理の業務をとり行う心構えがわかり、より円滑に作業を進められると判断できます。
利用する側には遺品整理士が在籍していない会社より在籍している会社の方が安心して頼めます。
生前整理の評判
遺品整理をしていると、生前整理の必要性を感じるはずです。
残された遺族に少しでも負担を軽くするために生前整理は必要です。
日頃から遺品に真摯に向き合っている会社であれば、遺品に振り回される遺族の苦労も分かり、故人も決して望んでいる状態でないと思うはずです。
そのことを考えると、生前整理を数多く扱っている会社は遺品に対する考え方もしっかりしていると判断できます。
遺品整理は亡くなられた後にする作業で、場合によっては遺族も立ち会わない場合があります。
しかし、生前整理は生きておられる方の目の前で作業をするのですから、品物の扱い方、作業の進め方、信頼性などがすぐにわかります。
もし、大切にしている品物を雑に扱うような仕事や不当に高い作業料金であれば、依頼者が生きておられるのですぐに悪い評判が広がり多くの仕事をする事ができません。
遠方に住んでいる遺族であれば、故人の住んでいた地域では縁があまりないかもしれませんが、依頼者が生存であればすぐに地域に評判がひろまります。
それは、悪い評判だけでなく、良い評判も同じです。
生前整理を親身になって作業してくれる会社は遺品整理の作業も同様に遺族の思いに配慮した仕事をしてくれるはずです。
また、作業料金についても適正な作業料金であれば悪い評判はないはずですから、金額の判断の目安になります。
ぜひ、生前整理の評判も確認すると良いでしょう。
数多くの経験
依頼する会社が長く営業しているかは気になるところです。
長く営業出来るという事は、それだけ地域の信頼を得ているという事になります。
もし、作業内容にクレームがあったり、スタッフにトラブルが多いなど悪い評判があれば、長く仕事をし続けることができません。
しかし、この業界の歴史は浅く、最近できたもので老舗という会社はありません。
そのことを考えると、どれだけ数多く、多種多様の現場を経験してきたかという事は重要な判断材料になります。
遺品整理の現場は一つとして同じものはないものです。
故人の住環境、生活スタイル、価値観によってかなり変わります。
また、依頼する遺族の要望によつて対処の仕方も変わります。
会社のホームページなどで、今まで作業した現場の写真やスタッフのブログ等である程度の仕事内容や作業の流れを把握することは可能です。
それらに、臨機応変に対応出来る会社に仕事を任せれば安心です。
特殊清掃も
大切な人が誰かに看取られて亡くなるとは限りません。
悲しい事ですが、病気や自殺などで孤独死され、発見が遅れてしまったという場合もあります。
また、事件に巻き込まれてしまったという事もあり、大切な人が亡くなったという悲しみだけでなくもっと辛い現実がある時もあるのです。
そのような場合は、遺族で対応する事は不可能に近い事です。
想像以上に大変な現場を、清掃し回復するのは素人では難しく、プロに頼む必要があります。
そのようなケースにも対処してくれる会社はさまざまな現場、時には予期せぬ状況にも対応する能力があるという事です。
悲しい現場に対応できる特殊清掃を行っている会社は遺族が抱えられない現状を解決してくれます。
仮に、そのような現場でなくても故人が長く住んでいた家は傷ついていたり、頑固な汚れがあるものです。
その事を考えれば特殊清掃も出来る会社は選ぶ材料の一つになります。
遺品の回収
遺品整理は形見分けとして取っておく物と、処分してしまう物に分け、処分する物は遺品でありながらゴミとして処分してしまわなければいけません。
処分する物は多くの種類があります。
衣類や食器、趣味の物、日用用品、布団類など小さなものから、家具や家電などの重く大きな物まで人が便利に生活をしていると多くの物が溢れています。
これを適切に処理していかなければいけません。
遺族で故人が住んでいた地域でゴミ出しのルールに従って処理をするのであれば良いのですが、業者に依頼すると認可が必要になってきます。
家庭の廃棄物を回収するには、一般廃棄物処理業許可や委託が必要です。
よく、産業廃棄物処理業の認可とありますが、これは工場や企業の廃棄物を処理するための認可なので家庭の廃棄物を扱うものではないので気を付けなければいけません。
そうでないと、正しい処理をされていなかった場合は不法投棄、不適正処理、不適正な管理により近隣住民に迷惑をかける場合があるので気を付けなければいけません。
また、遺品がそのような扱いをされていたといれば、不快なものです。
遺品の中にはゴミとして処分するには抵抗がある物があります。
故人が特に大切にしていた物や身近にあった物、仏壇や神棚などがあります。
故人が生前親しくしていた神社や寺があれば相談するのも良いですが、そこまで手が回らないという場合が多いようです。
遺品整理業者にはこれらのゴミとして処分できない物を供養するサービスがあります。
供養する事で遺族の気持ちも落ち着きますのでできれば供養する事をお勧めします。
遺品の買い取り
遺品の整理をしていると、購入してまだそんなに時間が経っていまいもの、使用していないものなど、捨ててしまうのはもったいない物も多くあります。
遺族は捨ててしまおうと思っている物でも、意外と買い取ってもらえる場合もあります。
そのような事を考慮して遺品整理を依頼する時には買い取りも行っている会社を選ぶようにします。
この時、中古品の売買には古物商の許可が必要になりますので、この許可を得ているかも大切です。
見積の前に
以上のような事を考慮しながら、自分が必要としているサービスを提供してくれる会社を選びます。
遺品整理業者は遺品を分別、処分、買い取り、掃除を全てしてくれますが、全て任せてしまうと後でトラブルの原因となる場合があります。
例えば、取っておくものを処分してしまった、紛失、最初の見積もりよりも高額になったなどあります。
処分して良い物とそうでない物の判断はいくらプロでも分かりません。
紛失したと思っていても、勘違いや実際にはもうない物だったかもしれません。
見積もりも遺品が煩雑としていれば、正確に見積金額を提示するのは困難です。
そのような事が起こらないように、ある程度は遺族で整理する事をお勧めします。
ですが、様々なご事情で困難な場合はお客様の要望に沿えるよう、最初から整理をお手伝いする事も可能です。
無料見積を利用
遺品の量や中身がある程度わかれば、遺品整理業者に依頼するサービスも分かってきます。
気になるのが金額です。
インターネットで調べると色々な会社があることが分かり、無料なのだからとつい多く見積を依頼したくなります。
しかし、あまり多くあるとかえって判断がしにくくなるので、3社程度に絞ることをお勧めします。
ここで、提示された金額とサービス内容を比較します。
遺族の負担を少しでも軽くするために
遺品整理は遺族にとって重くのしかかる辛い作業です。
それは、体力の問題だけでなく、精神的な物も大きくあります。
遺品整理をする事で、健康を害したり、人間関係に支障が起こらないようにしなければいけません。
これからも、今と変わらぬ生活を続けるためにも、負担を少なくすることを考え、遺品整理会社を適切に選定し利用することをお勧めします。