大切な家族を亡くしたからといって落ち込んでばかりはいられない
自分にはまだ関係ないと思っていても、大切な家族の別れは急に訪れるかもしれません。
そんな時でも、故人を送る為には様々な準備が必要になります。
ご遺体の安置所、葬儀の場所や会場を決めます。
故人の宗教や家の宗教を確認し、どのような葬儀にするのか、誰に連絡をとるのかなど決める事、確認する事、依頼する事などたくさんあります。
故人を無事に送る事ができ、葬儀も終わったと思っていても人が社会からいなくなるという事はこんなにも手続きや届け出が必要なのかというくらいしなくてはいけない事があります。
年金受給停止の手続き、介護保険資格喪失届、住民票の末梢届、電話、公共料金、預貯金の名義変更、クレジットカード、パスポート、運転免許証など、まだまだあります。
手続きや届け出を全て遺族はしなくてはいけないので大変なのです。
気になる遺品整理はいつからするものなのか
早くしなければいけないと分かっていてもなかなか行動を起こせないものに、故人の持ち物を整理しなければいけないという事があります。
故人の持ち物をいつまでに整理しなければいけないという、明確な決まりはありません。
遺族の気持ちを優先する事が多いようです。
完全に気持ちの整理が着いてからでないと整理したくないという人もいれば、整理をする事で気持ちが落ち着いてきて故人の死を受け入れる事が出来る人など様々です。
多くの場合、四十九日の法要を済ませた後で、遺族の気持ちと相談しながら整理する場合が多いです。
また、遺族が集まる四十九日の法要に形見分けの品を渡せるように、それまでに形見分けの品だけ整理するという人もいます。
遺族の気持ち、親族間の関係なども考慮しあまり日にちにはとらわれずに行えばよいでしょう。
急いで遺品整理をしないといけない場合
しかし、遺族の気持ちを優先していられない場合もあります。
故人が賃貸住宅に住んでいた場合には、賃貸料が発生してしまうので速やかに退去の準備をしなければいけません。
仮に、大家さんや不動産屋の理解や賃貸契約で猶予があった場合でも、生ものの処理は早めにしないと、悪臭や害虫の問題があり、急いで片付けなければいけません。
そのような場合は、金銭の負担や迷惑がかかるので急いで取りかかるようにしましょう。
遺族で遺品整理をする場合は十分な話し合いを
遺族で故人の持ち物を整理する場合は、後でトラブルにならないようにお互いによく話し合う事が大切です。
故人の持ち物はデリケートなものです。
要らないと思っていても、他の遺族にとっては思い出のあるもの、必要としていたものもあり、勝手に整理した事で後の遺族関係がギクシャクしてしまうこともあります。
また、価値のあるものであれば金銭問題にもなり裁判を起こすなどという場合にもなりかねません。
故人も自分の死後に遺族の関係が悪くなれば悲しく思うでしょう。
よく話し合う事で、意思の疎通をはかり、お互い納得して整理をする事が重要です。
遺族で遺品整理をする前に準備しておきたい事
人が生活していた部屋を片付けるというのは、とっておくものとそうでない物の仕分けと、捨てる物を分別し廃棄し、最後に掃除する事です。
故人と同じ地域に住んでいれば、自治体のゴミ出しルールもわかり分別も迷わずに出来るかもしれませんが、そうでない場合は作業をする前にゴミ出しのルールが分かる手引書などを用意する必要があります。
そして、自治体指定のごみ袋があれば指定されたごみ袋、書籍をまとめるひも、カッターナイフ、軍手、マスク、掃除用具など作業に必要な物を準備します。
できれば、遺族だけで整理する事が、遺族みんなが一番納得できる方法でしょう。
遺品整理には時間と体力が必要
しかし、理想は遺族だけで整理する事が一番トラブルもなく、納得できる方法ですが、現実には厳しいものがあります。
故人の生活環境にもよりますが、人が生活していた物を全て整理するという事は大変な作業です。
家具や家電、衣類、書籍など、快適な生活を送る為には色々な便利な電化製品や用具があります。
故人がコレクターであれば、その量も相当な物でしょう。
それらを一つ一つ、故人の住んでいた自治体のゴミの出し方に従って、分別し処理していかなければいけません。
一般ゴミ以外にも、粗大ごみ、家電リサイクル法の対象家電もあります。
粗大ごみがあれば、担当窓口に受け付けの電話をし、粗大ごみにかかる回収処理費用と回収日時と場所を確認し、ルールに従い処理します。
家電リサイクル法の対象家電である、エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫は生活していると必ずと言っていいほど所有している電化製品です。
これらも、保証書などから購入した店を特定し、引き取ってもらえるよう依頼します。
分からない場合は、自治体に相談するか、指定場所まで運ぶ事が必要となります。
このように片付けの作業をするには、多くの時間と人手が必要になります。
近隣住民に迷惑をかけない事が故人の名誉を傷つけないこと
間違ったやり方をすれば、せっかくごみ回収場所に持って行っても残置される事になります。
そうなれば、近所の人に迷惑をかけてしまいます。
そうならないためにも、分別で疑問があれば、近所の人か役所に確認をすることが大切です。
また、最初は頑張って片付けていても、時間が作れなくなったり、疲れてきたりとだんだんと作業を後回しになり、ついにはそのままという事になってしまう場合もあります。
放置してしまえば、ゴミ屋敷やゴミ部屋となり悪臭や害虫の発生で迷惑をかけることになります。
そうなれば、近隣住民の迷惑だけでなく、故人の名誉も傷つけることになりますので気をつけたいものです。
業者に依頼して負担を少なく
そうならないためにも、業者に依頼して遺族の負担を軽くし、迷惑をかけないようにすることも考えなければいけません。
故人の持ち物を整理するという事は、一つとして同じケースはありません。
その様々なケースを対処してきた業者は、整理する技術と知識で適切に処理してくれます。
負担に思っていた仕分けも一緒になって作業してくれるので、感情に流されずにスムーズに進める事ができます。
業者の中には、遺品整理士の資格をもつスタッフがいる場合もあり、初めて整理を経験する遺族には気づかなかった、故人の持ち物の取り扱い手順や、それに関わる法規制等の知識をもっているので安心です。
また、故人の持ち物を思いが詰まった大切でデリケートな物として、供養する心を持ち、取り扱い方法を理解しているので、遺族に不快な思いをさせない仕事をしますから安心です。
悩みや負担を軽くするためにも業者を利用する事を検討する事をお勧めします。
遺産は遺品だけではないという事を忘れてはいけない
故人が残してくれた物は、あまりにも多くの量と種類があるので価値のあるものというより、処分しなければいけないものと思いがちですが、遺産という事を忘れてはいけません。
誰が見ても分かるような現金、株式証券、預金通帳、貴金属の他にも、専門家が見れば価値がわかる宝石や絵画、美術品、骨董品、コレクションなどがあります。
しかし、そのような価値のある物の他に気を付けなければいけないのが借金などの負の遺産もあるということです。
目の前に価値のあるものが多くあるからと安心していると遺族が知らない故人の多額の借金があれば、故人の借金を背負わなければいけなくなるかもしれないのです。
そうなれば、遺族のこれからの生活に大きな影響を与えることになります。
相続放棄とは
人が亡くなった場合は、生前に持っていた全ての財産は、相続人が受け
継ぐことになります。
受け継ぐ財産には、不動産、現金、預貯金、株券貴金属、骨董品など価値があるプラスの財産だけではなく、借金などの負の財産も含まれます。
もし、借金などの負の財産のほうが多い場合、全てを相続してしまうと借金などの債務を返済し、苦しまなければなければならないとになります。
そうならないために、相続を知った日から3ヶ月以内に全ての財産を放棄し、一切の財産を相続しない方法です。
相続放棄をするなら遺品整理はできない
もし、その手続きをする予定であるならば、遺品整理をすることはできません。
遺品整理をしていまうと放棄を認められなくなってしまう可能性が強くなるからです。
故人が所有していた価値のある物は一切要らないと言っている事は、故人が所有していた価値のある物を処分する権利はないということなのです。
権利のない者がもし、故人の価値のある物を処分するとその権利が認められなくなりますから整理や片付けなど何もできないのです。
相続放棄を希望する人が遺品整理をする場合
しかし、どうしても故人の持ち物を整理しなければいけない場合もあります。
例えば、故人の住居が賃貸住宅であった場合は、大家や不動産屋から早く退去する準備をしてくれるように言われることもあります。
そのままにしておくとどんどん賃貸料がかかっていくことになります。
また、生前生活していた部屋をそのままにすると生ものが腐敗し、悪臭や害虫の問題がでてきます。
故人が自殺や孤独死で、発見が遅れた場合などは早く特殊清掃をして綺麗にしなければいけません。
この場合、時間が経つほど困難な状態になるますから、早く片付ける必要が出てくるのです。
放棄をしたからと言って、故人の物には一切関わってはいけないというわけではありません。
大事な身内がなくなったのですから、形見分けはほしいところです。
常識の範囲内で形見分けをするのは構わないと定められていますが、常識の範囲というのが難しいのです。
価値のない何でもない物と思っていても、マニアや目利きからみると高価な物という場合もあります。
また、自分の力では整理することができないので、業者に整理を手伝ってもらっている時に買取可能な物が出てきたという事があります。
その品物を捨てるのはもったいないと遺品を買い取ってもらったりすると放棄を認められなくなるので注意が必要です。
しかし、その見極めがむずかしいので、司法書士や弁護士などの法律家に放棄をしながら整理をする方法を相談しましょう。
明らかにゴミと分かるもの、処分しなければ悪臭や害虫を発生させる生ものだけ片付けましょう。
価値がありそうだと思われるものも、そのままにしておきます。
業者を利用した場合処分した時の領収書は保存しておきます。
依頼者の要望に応えられる業者を選択
このように、特別な対応が必要な場合があります。
業者の利用をする時には、依頼者の要望に応えられるかが重要です。
業者のミスで自分には関係のない借金を背負わされる事にもなりかねません。
明らかにゴミと判断できる物しか扱わない事、少しでも価値があるものはそのままにしておく事など事前の打ち合わせが必要です。
インターネットのホームページで、業者を選択し見積を依頼する時に、よく遺族の立場を理解してもらいましょう。
遺族の立場をよく理解してもらえる業者選ぶことが重要になります。
急いで遺品整理をした事でトラブルに巻き込まれないように
故人の持ち物はなるべく早く片付けたいと思う人は多いでしょう。
しかし、急いで整理したことで取り返しのつかない事になるかもしれないのです。
故人の生前の行動や生活について遺族間で話し合い、借金がないかの確認は3ヶ月以内で結論がでるよう調べましょう。
故人と親しい人にもそれとなく聞いてみると良いです。
たぶんそんなことはないだろうと、甘く考えていると後で大変な事になるかもしれません。
そうなれば、自分だけでなく子供にも影響が出るかもしれないからです。
きちんと調べれば、何も不安はありません。
3ヶ月という時間があるのですから、この期間を有効的に使う事が大切です。