まず考えておきたい遺品処分
遺品処分は、お葬式が終わってから考えたのでは遅すぎます。
なぜなら、遺品にはさまざまなものがあるため、一部のご遺族だけで処分方法を決めることができない場合があるからです。
通夜や葬儀のことで忙しく、後回しにしてしまったためにスムーズに処分できなくなってしまうこともあります。
突然の訃報、そして通夜・葬儀と大変なことが続き、考える余裕がないことはよくわかりますが、後々困らないように葬儀の間にどのように遺品を処分すればいいかご遺族で取り決めることをおすすめします。
ほとんどの場合葬儀には縁ある方がすべて参加されているはずですから、遺品のことを取り決めるのにこれほど良いタイミングはありません。
後からすべてのご遺族の意志を確認することは大変なことです。
すぐに考えたくはないかもしれませんが、大変だから遺品の処分ができないということがないようにまず遺品のことを考えることをおすすめします。
遺品整理とは
遺品とは、生前に故人様が使われていたものや所有されていたものすべてを指します。
遺品のなかで特に貴重なものは遺産に分類されますが、衣類や家具、日用品だけでなく、遺された食料品や新聞・雑誌、手帳などといったものもすべてを含みます。
どれほど所有されている荷物が少ない方でも、一人分の荷物意外と量があるものです。
それだけでなく、多種多様なものが含まれているため、それぞれに合った適切な方法で処分しなければなりません。
また、遺品とは、すなわち故人様の生きた証となるものです。
そのため、どのように不用なものに見えたとしても、普通の不用品のように気軽に捨てることはできません。
遺品を捨てることに、何かしらのわだかまりを感じられるご遺族もいらっしゃいます。
そのため、なかなか遺品の整理に取り掛かれないことも往々にしてあります。
難しくなった遺品処分
遺品が故人様の生きた証であり、ご遺族にとって捨てにくいものであることは昔から変わらないことかもしれません。
それならば、なぜ遺品処分をすることが難しくなっているのでしょうか。
それは、単純に以前より遺品が大量になってしまうことが多いからです。
ほんの20年か30年ほど前は、2世代同居や3世代同居が今ほど珍しくはありませんでした。
それに、今のように、各自の部屋に自分用のテレビや家電製品があるといったことは珍しく、ほとんどのものは家族と共有していました。
そのため、純粋に故人のものと言える遺品はそれほど多くはありませんでした。
つまり、昔はほんの少しの日用品と衣類、愛用品を片づければ良かったわけです。
それが、大阪でも核家族化が進み、今では故人様が暮らしていた部屋の中にあるものをすべて処分しなければならなくなることが普通です。
昔の方はもったいないと何でも物を溜めこんでしまう方が多いため、遺品の多さがご遺族を悩ませることも少なくありません。
住宅環境の変化
核家族化が進んだことで、住まいの形態もかなり変わってきました。
地域でかなりの差がありますが、大阪でも昔は古い住宅が軒を連ねていた地域に高層マンションが建つといったことは珍しくありません。
そのため、先祖代々暮らしていた家に暮らし続ける方が少なく、賃貸マンションや賃貸アパートに暮らしている方も増えています。
故人様が突然亡くなられた場合、オーナーから早急に立ち退くようにと言われてしまうことも少なくありません。
また、持ち家一戸建てであったとしても、固定資産税を支払い続けることが難しい場合は遺品だけでなく持ち家を処分しなければならなくなることもあります。
それに、遺産相続や相続税などに絡んで、持ち家などの遺産を処分する必要があることもあります。
どちらにしても、年々、遺品をそのままにできる環境でなくなっていることは確かです。
身軽になるための生前整理
大量の遺品がご遺族を悩ませることが多いと知り、生前整理をされる方が増えてきています。
多過ぎる荷物をスッキリと片づけることで、遺されるご遺族の負担を減らし、自分自身も広々とした住まいで暮らすことができます。
また、誰にどれを形見分けするかなども事前に決めることが可能です。
ただ、1つだけ気をつけなければならないことがあります。
それは、誰も自分の寿命を推し量ることはできないということです。
せっかく生前整理をされたとしても、その後で今までと同じように物を溜める生活をしていればものの数年で以前の状態に戻ってしまうことでしょう。
また、生前整理をされてからお亡くなりになる間に、貴重なものを購入しないとは言い切れないのではないでしょうか。
スッキリとした生活をするために生前整理が有効なのは確かですが、お亡くなりになった後にまったく遺品の処分が必要なくなるかといえばそうでもありません。
捨てるかどうか迷うもの
誰が見ても明らかにこれはゴミに違いない、不用品だろうというものなら捨てにくさを感じることはないでしょう。
しかし、遺品の中には、そのようにスッパリ捨てられないものもたくさんあります。
故人様と同居されている方なら、何を大事にしていたのか、捨てても大丈夫なものは何かがすぐにわかることでしょう。
しかし、同居されていたとしても、直接言われたわけではないことがすべてわかるわけではありません。
いくら血を分けたご遺族だったとしても、長らく別々に暮らされていた方が大切なものかどうか判断できずに迷われるのは無理もありません。
捨てていいものだとハッキリわからないものが多いことも、遺品の処分を難しくしているようです。
寝具やパジャマ
大阪では、地域によって寝具とパジャマは捨てる習慣があります。
通夜を行うために寝具とパジャマを新調することもありますが、この場合も葬儀が終了すればすべて捨ててしまいます。
ただ、このような習慣がない地域なら、故人様の肌が触れた寝具やパジャマをどう処分すればいいのか迷われるかもしれません。
いくら新しかったとしても普通に使用するのは抵抗があるでしょう。
かといって、すべて捨ててしまうのも申し訳ないような気持ちがするかもしれません。
このような場合は、特に思い入れのある衣類などとともに遺品供養をされる方が増えています。
遺品供養は遺品の処分方法の1つで、お魂抜きなどの供養の後にお焚き上げなどで供養をしながら処分することが可能です。
写真やアルバム
写真はたとえ自分のものであったとしても捨てにくいものです。
災害などが起こった時、アルバムを持ちだせなかったことを悔やむ方が多いとも言います。
江戸時代には、写真を撮られると魂が抜かれるなどといった風説が流布したこともあります。
人の形をそのまま写し取る写真は、思い出とともに人の気持ちが込められていたとしてもおかしくはありません。
そのため、捨てるに捨てられず困っている方を数多くお見受けします。
それほど数が多くないのであればそのまま保管しておくことをおすすめしますが、あまりに数が多い場合は特に大切な写真だけを抜き取り後は処分されてはいかがでしょうか。
この場合も、布団や衣類などと同じように、遺品供養をされれば心置きなく処分することができるのではないでしょうか。
趣味のコレクション
もっとも処分に困るのが趣味のコレクションなのではないでしょうか。
ご遺族の中に同じ趣味の方がいれば譲り受けられることをおすすめしますが、まったくの門外漢に任されたとしたら途方に暮れてしまうことでしょう。
趣味のコレクションは、集めた本人ではなければ価値がわからないことがほとんどです。
ただ、一見不用品に見えたとしても、レアなものなら高値で取引されているかもしれません。
処分するとしたら、専門の買取業者に査定してもらうか、役立ててくれるところに寄贈されるかのどちらかでしょう。
故人様に趣味のお仲間がいらっしゃるなら、お仲間に引き取ってもらうのも方法の1つです。
楽器やアンプなど
楽器やアンプなどの道具も好きな人にとってはたまらないものですが、そうでない方にとっては価値がわかりにくいものでしょう。
しかし、きちんとメンテナンスがされていれば、楽器は以外と高値で取引されることがあります。
ピアノだけでなく、ギターやサックス、トランペットなども同じです。
新たに買うとすると何万もするものですから、そのまま放置されるのはもったいない話です。
ただ、すべての楽器をまとめて買い取ってくれるところは少ないかもしれません。
いくつもの業者と折衝するが面倒だとお感じなら、寄付することで役立ててはいかがでしょう。
世界には、楽器を演奏したくても高すぎて手が出せない子どもたちがたくさんいます。
海外の支援団体などで寄付を募っていることもあります。
寄付をすることで故人様の遺品が活用され、誰かが笑顔になれるとしたら素晴らしいことなのではないでしょうか。
買いためた書籍
貴重な書籍があれば、昔は図書館などに寄贈することができたものです。
ところが、最近では、図書館でも貴重な書籍を集めるのではなく、商業ベースで人集めに注力するところも少なくありません。
そのため、せっかく寄贈した書籍が捨てられてしまったというニュースが後を絶ちません。
その中には、二度と集められない郷土の資料や初版本まで混じっていることもあるというのですから驚くべき話です。
捨てられてしまってから嘆いても、散逸してしまった貴重な図書を集めることは非常に難しいものです。
それに、せっかくの厚意を無にされた残念さを味わうこともありません。
それよりも、同じ趣味を持つ好事家に託したほうが安心です。
とりあえず大切な図書を無断で捨てられることだけは避けられるはずです。
まずは形見分けで処分を
遺品処分をされる場合、まず最初にご遺族同士で話し合われて、形見分けするものと供養をするもの、そしてご遺族が手元にのこされるもの3つをハッキリ決めましょう。
特に、形見分けするものは、ご遺族全員の意志を確認されることをおすすめします。
特に貴重な遺品は、後々もめないように遺言を書いておいてもらうことをおすすめします。
きちんとした遺言があれば、無理を言う方がいたとしても形見分けでトラブルが起こる確率を低くすることができるはずです。
売却する
趣味のコレクションや楽器、書籍などといったものは、専門業者に依頼すればかなりの確率で売却することができるものです。
もちろん、故人様が価値があるものと思い購入したとしても、専門家が確認したらまったく価値がないものであったということもないわけではありません。
どちらにしても、専門業者に見てもらうことで、価値があるものかないものかがハッキリとします。
価値のあるものであれば売却をすればいいだけですし、価値のないものなら形見として残すか処分するかを考えればいいだけのことです。
弊社では、幅広い品目の買取を行っておりますので、遺品整理だけでなく売却する場合でもお役に立つことができます。
残りの不用品の処分
形見分け、売却、供養のどちらも必要ないと判断された不用品は、ゴミとして処分しなければなりません。
粗大ゴミとして処分しなければならないものも多いでしょうが、不用品が大量にある場合は回収してもらうことができないかもしれません。
大阪でも自治体によって引き取れる数量が決まっていることがあります。
遺品処理をスムーズに行いたいとお考えなら、遺品の整理から処分まで弊社にお任せください。
弊社にお任せいただければ、スムーズに遺品処分ができるようサポートさせていただきます。