遺品を整理する時期は遺族の都合で
遺品整理はいつまでにするのか、いつから始めるのかと悩むものです。
遺品整理をするというのは人生の中でもそうそう経験する事ではないからです。
また、昔のように親しい親戚が実家の宗教や習慣、歴史などのアドバイスをくれることもなくなりました。
それでも、それぞれの家庭の事情がありますから、遺族間で話し合い決めることがトラブルを避けられる事になります。
基本的に、いつまでに終わらせる、いつから始めるという決まりはありませんから、遺族のスケジュールに合わせて始める時期を決めることが良いでしょう。
法要に合わせて
四十九日、一周忌、三周忌、七周忌の法要には遺族や故人に関わりのある人たちが集まりますので、その時に遺品を整理し始めるという場合が多くあります。
遺品整理は故人を偲ぶ大切な作業です。
出来れば、故人とゆかりのある人たちで行う事が望ましいのです。
最近は、進学や就職で実家を離れ、そのまま実家に戻らずに家族を持ち生活をしている子供が多くいます。
そのような核家族化した現在では法要の時でないとなかなか集まることが難しいのです。
ほとんどの遺族は、仕事が多忙だったり不規則であったり、遠方に住んでいたりと、遺品整理のためだけに皆が集まる事は不可能に近い事です。
そう考えると、遺族が集まる法要というのは皆で遺品整理を始めるには都合がよいのです。
手続き届け出の処理が終わってから
人が社会からいなくなるとこんなにも手続きがあるのかと思うくらいしなくてはいけない処理はあります。
まず、速やかに手続きをしたいものは電気、水道、ガス、電話、新聞、インターネットなどの変更か解約、クレジットカードがあれは解約が必要です。
役所には、健康保険証、厚生年金、国民年金、国民健康保険など保険関係でもこんなにあります。
手続きや届け出によっては、死亡日から期限が決められているものもありますから、それらを優先して処理しなければいけません。
この他にもまだまだありますから、これらの手続きを終えてからでないと遺品整理どころではないと考える人も多くいるのです。
また、このような手続きや届け出をするうちにだんだんと故人の死を受け入れてくるようになることもあります。
遺族の気持ちが落ち着いてから
遺族の気持ちの整理がついてから、落ち着いてからという場合もあります。
亡くなられた人と親しい関係であればある程辛いものです。
遺品を整理しようと手に取ると故人との思い出が邪魔をしてなかなか整理がはかどらないこともあります。
故人の亡くなり方も、悲しい形であればなかなか受け入れることも難しいでしょう。
そのような気持ちに耐えて作業をすると、遺族の体がもちません。
遺品を見ても、気持ちが乱れるようなことがないようになるまで、遺品を見ないようにしている人も多くいます。
故人の遺品を納得いく形で整理出来るのは、遺族です。
後悔がない遺品整理をするためには、遺族の判断が必要ですから、遺族の気持ちが落ち着くまで、待つようにします。
葬儀終了と同時に
葬儀終了と同時に遺品整理を始めるという人もいます。
亡くなってすぐの遺品整理は、故人に冷たい態度のように思えますが、遺品整理のために時間をつくり来ることが出来ない人には仕方がない事です。
自分の知らない所で、遺品を整理、処分されるよりは、良いかもしれません。
別の考え方で、現世に未練が残らないようにすぐに遺品整理をすることは故人の為にも、家族の為にもなるという事です。
遺品整理は故人を偲ぶ気持ちを整理することで、遺族が新しい一歩を進める事が出来る作業です。
葬儀終了後にすぐ片付ける事は、故人の事を思っていない証のようで抵抗がありますが、必要な場合もあります。
故人の住居が賃貸の場合
故人の住環境持が持ち家であれば賃貸料も発生しませんので、あまり急がずに遺族の気持ちを優先して期日を決めることが出来るのです。
しかし、賃貸住宅だとそうはいきません。
賃貸契約の内容にもよりますが、多くの大家や部屋を管理している不動産屋は早く退去することを希望します。
そのため、法要を済ませてから、遺族の気持ちの整理が付いてからと言っていられない場合があります。
経済的に余裕があれば、賃貸料が発生してもそのままにしておくことができますが、遺族の負担を考えれば難しいものです。
できるだけ、遺族と協力し退去日には片付けが終わり、原状回復までできるようにしなければいけません。
特殊清掃をしなければいけない場合
いくら、遺族で片づけをしようと思っていても無理な場合があります。
それは孤独死や自殺現場、事件現場、病死など発見が遅れたために特殊清掃が必要となっている場合です。
自分の身内とは言え、このような状況のなかでの遺品整理は遺族の精神的な負担が大きく作業を行う事は困難です。
発見が遅れたり、亡くなり方によっては部屋が汚れている場合もあります。
このような部屋を原状回復することは素人では限界があります。
特別な薬剤や、修理、リフォームが必要となる場合もあるからです。
そのような場合は、出来るだけ早く特殊清掃の知識がある業者に依頼しすぐに作業を始めてもらう必要があります。
経験の少ない遺品整理
多くの人が遺品整理をするという経験はあまりない事でしょう。
最初はなかなか身内の死を受け入れずにいても、遺品整理は必ずいつかはしなくてはいけない、そのままにすることが出来ない事なのです。
しかし、人が生活するしていると多くの家財道具があるものです。
家具や家電、衣類、雑誌、趣味の物、などがありそれらを全て片付けなければいけません。
遺品整理とはいっても、その作業はほとんど遺品処分といってもいいでしょう。
遺族の気持ちとしては、遺品の全てを保管したいものですがそれは不可能です。
必要な物以外は処分しなければいけないのです。
その処分の仕方はいろいろありますが、まず考える事は自治体のゴミ収集を利用することでしょう。
昔は、ゴミの分別も細かくなかったので簡単に燃えるゴミと、燃えないゴミ、資源ごみぐらいでした。
燃えるごみの中に資源ごみとしてだすような新聞、衣類などがまざっていたとしても、よほどひどい分別でない限り、残置されることなく収集してくれたものです。
しかし、今はゴミの減量化や環境問題などから、自治体も徹底してゴミの分別を促進しています。
遺品の全てを分別する作業をするには多くの人手と時間が必要になります。
その他にも、家具や家電で使わないものは粗大ゴミとして処分しなければいけません。
家電ならなんでも回収してくれるわけではありません。
家電リサイクル法により、冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、テレビ、洗濯機、衣類乾燥機は自治体では引き取ってくれないのです。
また、ゴミとして処分したくない遺品もあります。
仏壇や仏具、神棚、人形、写真などです。
これらも、供養してから処分したいと考えますが、この手続きもしなくてはいけません。
今まで経験してこなかった遺品整理は、何もかもが初めてで手探り状態なのです。
多くの現場を経験した業者は頼りになる
故人の住宅が持ち家で、遺族は時間が自由になるという場合は、ゆっくりと時間をかけて遺族が納得する遺品整理ができますが、現実は難しいものです。
遺族だけで遺品整理をする事が困難な場合には、専門家に依頼し負担を軽くすることが一番です。
この時に頼りになるのが、多くの現場を経験し、知識の豊富な業者に依頼することです。
初めて経験する遺族よりも業者の方がスムーズに作業を進めることができるので、早く処理をしなければいけない人には有効です。
特に、賃貸住宅の場合には、遺品整理を業者に任せそのほかの手続きや届け出を遺族がするようにすれば、指定された退去日には間に合う事ができます。
遺品を供養してから処分したい場合も、提携寺社で供養して処分するサービスもありますから面倒な手配もしなくて済みます。
遺品に扱いにも慣れているので、遺族が不快に思うような作業をする事がありません。
特殊清掃を必要としない場合でも、長く住んでいると痛んだり汚れたりするものです。
そのような場合でも、綺麗に掃除し必要であれば原状回復もしてくれます。
作業を抱え込まないで、業者にしてもらう事も大切です。
遺品は思わぬ財産になる
業者に依頼すると気になるのは作業費用です。
しかし、意外と遺品の中には買い取り可能な商品も多くあるものです。
買い取りもしている業者であれば、遺品の整理をしている時に買い取り可能な商品を見つけ出しその場で査定してくれます。
査定金額は、作業費用から差し引きますので費用を抑えることが出来るのです。
遺品処分は都合の良い時期に無理なく進めましょう
色々なケースで遺品処分をする時期は変わってきます。
一番大切なのは、遺族の生活です。
遺品整理に振り回されて、遺族の生活リズムが乱される事は故人も望まない事です。
急ぐケース以外は、遺族の気持ちを大切にした始め方をする事が良いでしょう。
そして、遺族の手に負えない場合は専門家に依頼をする事が大切です。